森博嗣:人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか | 感想
「具体」から「抽象」へ、そして「庭」
森博嗣 著
またまたマイマスター森博嗣さんの、ためになる新書シリーズ。
今回は壮大なタイトルで、いつも通りどんな内容なんだろうかと妄想が膨らみまくりですね。
頭の使い方本かな?論理的思考法的な?
全く逆のこんな感じの本でした。
どうしたら抽象的に考えられるのか。
具体的、論理的に考える事、話す事が割と良い事だという風潮があると思います。
「もっと具体的に言って」とか。
この本は逆で、抽象的に思考する事のメリットや楽しさが書かれています。
抽象化って馴染みの無い行為ですよね、僕もプログラミングを仕事にしていなかったら抽象化という言葉の意味も良く分からなかったと思います。
プログラミングをしていると、この抽象化という事は日常的に行う行為で、例えば
この処理はあすこでも使えるから関数にして使いまわせるように抽象化しよう、とか。
共通処理を抽出して親クラスとして抽象化しよう、とか。
なので、この本で著者が言わんとしている事も割とすんなり捉える事ができたと思います。
とにかく、抽象的に思考したり物事を捉えたりすることのメリットが色々と書かれていますが、問題はどうしたら抽象思考が身につくのか、というところでしょう。
その具体的な方法は無いだろう、と著者は言っています。
確かに抽象的な発想方法とかひらめき方って教わってできるような事ではない気がします。
そんな中でも一応手法的なものをいくつか挙げていて、その中の一つに「創作してみる」というのがありました。
僕はこれが一番効果がありそうな気がします。
頭の中のイメージを手を使って具象に落とす行為、例えば絵を描くとか。
絵を描く時って、抽象イメージから具象に、そしてまたイメージに、の繰り返しなのでかなり頭を使うんですよね。
僕も趣味で抽象画みたいなものを描いたりしますが、まさにこの行為の連続です。
というわけで、普段具体的思考一辺倒な方で抽象思考ワールドを垣間見たいなぁ、なんて方にはおすすめの一冊です。
でも結局この手の本って書いてる本人が一番得してるんだろな、って思います。
著者も最後に、この本を書きながらある着想を得た事が大変大きく、書いて良かったと思えるとか言っているし。
やはりアウトプットって大事ですね。
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