森博嗣:悲観する力 | 感想
過去を楽観し、未来を悲観せよ
『悲観する力』
森博嗣 著
マイマスター森博嗣さんの、ためになる新書シリーズ。
今回も挑戦的なタイトルで、どんな内容なんだろうと妄想が膨らみます。
悲観ってなんだろうか?
未来に対してネガティブな予測をして落ち込んだりする感じでしょうか?
著者はこんな事を書いてます
「未来を悲観し、うまく行かないという前提で、想定できるあらゆるリスクに対処する方が安全側である。」
なるほど、悲観しているからこそ、起きるべき例外に対処する事ができるという訳ですね。
逆に楽観している状態は思考停止に近く、うまく行くと思い込んでいるので例外ケースすら想定できていないから想定外の問題が起きるとリカバリが難しい。
僕はプログラミングを仕事にしているので、この例外処理というのは結構普段から行なっていて、馴染深いものです。
とある処理を書いた時に、ここでこうゆう例外が起きたらこれ以上は続行できない致命的なエラーなので終了させるとか、こうゆう例外が起きたらログにだけ吐いといて処理は続行でいい、とか。
この起きるであろう例外をどれだけ想定できるか、がプログラムの品質に関わってくるので結構大事なところです。
つまり、この悲観力が未来の障害に対する防御になるということでしょうか。
一般に「悲観」というと、ネガティブな印象で悪い事のように感じるが、そうではなく、安全側である。
うまく行かないと見積もった方が実際にうまく行かなかった場合に落胆も少ないし、うまく行って儲けものくらいに思える。
そして、「過去を楽観し、未来を悲観する」
過去の失敗であってもこれからの未来に対処できると楽観し、未来に思考を向け、考え続ける事が大事。
今回の新書シリーズも大変ためになる内容でした。
これからも多いに悲観して生きようと思います。
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