森博嗣:集中力はいらない | 感想
集中せず、分散せよ
『集中力はいらない』
森博嗣 著
大好きな森博嗣さんの、ためになる新書シリーズ。
今回は「集中力はいらない」というなんとも挑発的なタイトルです。
一般的に、1つの事に集中することは良い事だと言われていると思います。
例えば、子供が次から次にいろんな事をしていると、いろいろ手をつけずに集中しなさい、とか。
沢山趣味を持っていると、もっと1つに集中したら?と言われたりとか。
確かに、計算タスクにおいてはリソースを集中させた方が早く終わると言えます。
しかし、何かを発想するタスクにおいては集中ではなく分散、発散思考が必要だと著者は言っています。
つまり、アウトプットする物が明確に判明している場合はただそれに向かって計算するだけなので集中が有効。
アウトプットする物が明確でないとか、そもそも何をアウトプットすべきかを見つける必要があるような場合には、集中するより視野を拡げて見回すような抽象度の高い思考が有効。
このパターンは、1つの課題に対する集中と分散の話で、例えるなら、1プロセス内に複数のスレッドを立てるみたいなイメージかなと思います。
対して、著者でいうところの15分くらいでやることを切り替えるマルチタスク的な話も出てきます。
15分小説を書いたら、次は工作をして、みたいな。
これはプロセス自体を時間で区切るマルチタスクの話ですかね。
この場合も各プロセス間で新たな発想を得たりすることがあると書いてます。
あくまで著者の経験にもとづく手法だったりするので参考になるかどうか。
ただ、著者が一貫して伝えようとしているテーマである「考える大事さ」に触れる事ができるこの新書シリーズは僕にはとても役に立っています。
具体的思考と抽象的思考、集中と分散、発散、みたいな事に興味がある方にはおすすめの一冊です。
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